友だちってなんだろう? という本を読んだ。
本の背景・概要など
著者は 齋藤孝
氏。
中学生から高校生くらいの人を主なターゲットとして、人間関係について述べられている。
10 代が抱える「友だち問題」への考え方を提示していて、それが偉人や漫画の登場人物の話で補強されているのが特徴的。
感想など
表現や章立て
全体を通して穏やかな語り口だと感じた。対象が 10 代なこともあるが、平易な文章。
「10 代のときはこういうの気にするよね」と共感できる内容が多い。
この本は、前半と後半に分けて読んでも良いなぁと思う。
- 1 〜 3 章は、筆者の考え方や具体的な行動例が書いてある。
- ここだけ読んでもこの本のエッセンスは伝わりそう。
- 4 〜 6 章は、大人の付き合い方やいじめのことに触れ、そのうえで良い友だちとは何かが書いてある。
- たいへんなこともあるけどやっぱり友だちは良いものだ。
ちなみに 7 章は、付録としてコロナ禍における心がけが書いてある。時代だなぁ。
全体を通しての印象
- 著者の苦い経験からか、「人にズケズケと指摘することはダメだ」という話が何度も出てくる。
- 一人を恐れるな、主体性を持てというメッセージが強い。
- 失敗しても良いんだというフォローが多い。
気になった内容メモ
みんな最初は大人の付き合い方に不慣れ
- いろいろ工夫していると、慣れてうまくなっていく。
- 初心者が一番やってはいけないことは、失敗するのを怖がって練習しないこと。
友だちづきあいを無敵にする 3 つの力
- 「気の合う友だちを作る」力
- 「気の合わない相手ともうまく付き合う」力
- 「ひとりを楽しめる」力
ひとりを楽しむには
- 自分のエネルギーと時間を、友だち以外の何かに投入する。
- そうすると一人でいても平気になり、自分に自信を持つことができる。
人間性ではなく好きなものでつながる
- 互いの人間性で友だちづきあいをするとたいへん。
- 人の性格は多面的なので、ぶつかることがいろいろ出てくる。
- なので、共通の好きなものを挟んで付き合い、おだやかな関係でいよう。
「気が合う」とは
- 人と人との間に流れる感覚やリズムなどがぴったりくること。性格とはあまり関係がない。
- そのリズムなどは、人慣れすることでつかめるようになる。
- なので、広く浅くいろんな人と触れ合うと気の合う友だちが見つかる。
所属すること
- どこかのコミュニティに所属すると、面倒なこともある。
- だが「そこにいけば誰かと話せる」という場所はとても大事。
- 所属によりつながれていることは、社会の中で生きやすくなるコツである。